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​コロナ禍と自治体財政

(2)

​公開講座 2021年1月31日

​講師   平岡和久さん

​講演から(文責は宇治自治問研 H・T)

2020年度の地方財政

 政府は、新型コロナウイルス感染症により自治体の2020(R2)年度歳入の減収に対し、地方交付税制度の減収補てん債制度の対象税目の拡大等で対応。平岡氏は「自治体は決算を打てる」と述べました。

​基準財政収入額の精算制度と減収補てん債制度

・基準財政収入額は前年度の課税実績をもとに税収伸び率を乗じて算定

・景気変動等により課税実績が見込みより大きく変動した場合、精算または減収補てん債によって算定額との差を是正

・市町村の場合、減収補てん債の発行対象となる税目は法人市民税法人税割および利子割交付金(充当率100%、後年度交付税措置率75%)。残りの25%分は翌年度以降の基準財政収入額の減額

個人住民税所得割および特別とん譲与税については、翌年度以降の基準財政収入額の減額

・法人市民税法人税割および利子割交付金については、減収補てん債発行による方法と精算措置による方法を選択できる

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都道府県分.jpg
市町村分.jpg

2020(R2)年度の減収への対策

減収補てん債の対象税目の拡大

及び特別減収対策債の創設

総務省資料

〇  新型コロナウイルス感染症の影響により通常を上回る大幅な減収が生じる。消費や流通に関わる7税目について、令和2年度限りの措置として、地方税法を改正し、減収補てん債の対象税目を追加

〇  資金繰りに万全を期す観点から、その他の税目使用料・手数料の減収相当額を発行できる特別減収対策債を創設

1.追加税目

​ 〇 新型コロナウイルス感染症により、景気変動に伴う通常の増減収を超えた減収が生じ、個別団体の財政運営に影響が生じる。消費や流通に関わる税目を対象に追加

【具体的な追加税目】

​  地方消費税・同交付金、軽油引取税・同交付金、不動産取得税、道府県たばこ税・市町村たばこ税・同交付金、ゴルフ場利用税・同交付金、地方揮発油譲与税、航空機燃料譲与税

【地方財政措置】

  充当率:100%

  交付税措置率:75%又は100%(地方消費税増税分灯)

​  *普通交付税の精算措置の対象外

減収補てん債の発行額.jpg

2.公的資金の増額

​ 〇 従来は民間資金で対応していた減収法転載について、一般市町村は全額、最も金利が低い公的資金で引き受ける。

3.特別減収対策債の創設

​ 〇 地方団体の資金繰りに万全を期す観点から、減収補てん債の対象外となる入湯税等の税目や、使用料・手数料の減収について、投資的経費のうち地方債を充当していない部分を対象として「特別減収対策債」の発行を可能(交付税措置なし)とする(大臣告示(地方債同意等基準)の改正)。

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